やさしい財産評価入門① はじめに 

 

 平成27年の相続から、相続税の基礎控除が引き下げられました。基礎控除の額がそれまでの6割の額になる(4割カット)という大幅な引き下げであり、この改正により新たに相続税の課税対象となるケースがかなり増えました。

 そこで、相続税申告の作業量のうち8割程度を占めるともいわれる財産の評価について、初心者向けの入門編としての記事をブログに連載することにしました。 

ところで、相続税・贈与税について定めている相続税法では、わずかの特殊な財産についてその評価方法を定めている以外は、すべて「財産取得の時における時価による」としか規定していません。

 しかしひとことで「時価」を計算するといってもたいへんな困難を伴いますし、これでは評価する人によって価額が異なることになりかねず、税の公平という観点からも問題があります。

 そこで国税庁は「財産評価基本通達」という具体的な評価方法の基準を示し、この通達に定める方法によって評価した価額が相続税法にいう時価であると取り扱うことにしました。

 土地の評価の際に使用する路線価図や倍率表は、この「財産評価基本通達」に定める「路線価」及び「倍率」を毎年公表しているものです。

この掲載は、特におことわりする場合を除き、この「財産評価基本通達」における財産の評価方法等について解説します。

次回に続く